龍骨 仲合、同盟会話
(1コメント)タグ一覧
>最終更新日時:
仲合会話
脆如玉磁
龍骨:青空を見て、白い雲を見て、空を飛ぶ鳥を見て、そして他の何かを見る。
無剣:退屈にならない?
無剣:彼を真似して空を眺める。青くて白くて、ただそれだけ。特別な物はないようだ。
龍骨:いいや。こうして眺めていると……時間が過ぎていくから……
無剣:青い空、白い雲、それに鳥を見て、何が楽しいの?
龍骨:……
無剣:なんで黙ってるの?何かおかしなことでも言った?
龍骨:別に……説明するのが面倒だから言わないだけ。
無剣:そう……
私は彼の隣に座った。彼は草むらに横になって空と雲を眺めている。瞳は水のように澄んでいるが、淡々とした顔には表情がなく、 他の少年のような活気がない。
無剣:何を考えているの?
龍骨:何も考えていない。
無剣:空を見ているのに何も考えていないの?例えば、自分がどこから来て、どこへ行くのか、とか。
龍骨:なら、あなたはそれが分かるのか?
無剣:別に……
龍骨:考えても分からないことをなぜ考える必要がある?
彼は首を傾けて私を見つめた。
無剣:一度も考えたことは?
龍骨:ない。考えても分からない。考えたくない。
無剣:変な人。話もしたくないし何もしたくない、今は考えるのもしたくないって。
龍骨:別に変じゃない。面倒なだけだ
無剣:どうしてそんなに面倒に感じるの?
龍骨:大人は面倒だな……質問が多い。面倒なことは面倒、特に理由はない。
無剣:けどどんなことにもちゃんと理由がある。あなたの人柄も昔経験したことから作り上げられたものだ。
龍骨: ほお?そうなのか?
彼は空を見ている。私の話はちゃんと聞いてもなく、気にしてもいないようだ。
無剣:そうだよ。誰かが優しいのはその人が優しい人に出会ったから、もしくは優しいことをされたから。だから、あなたがこんなにもだるいのにも、何か理由があるんじゃないかな?
龍骨:いえ…何も。
無剣:本当にないの?
龍骨:大人はめんどうくさいな、そんなに根掘り葉掘り聞くのが好きなわけ?
無剣:うん、そうだよ、大人は面倒だよ。あなたみたいな近寄りがたい子供と違ってね。
龍骨:行って、もう寝る。
無剣:まだ日が沈んでないよ!
龍骨:眠い、日が沈むまで待てない。
無剣:あなた……もう!私の話相手になってくれないかな?
龍骨:質問が多い。僕は答えを考えたくないし話したくない。
無剣:じゃあ質問はなしで。
龍骨:好きにしろ。
無剣:好きにしろってなに。もっと真面目に話し相手になってくれないの?
龍骨:できない。
無剣:……
私に背を向けると、彼は何も言わなくなった。
おーい?龍骨?
不思議に思って彼を見るが、暫くしても返事が来ない。こっそり立ち上がり向こうに行って、彼が何をしているのかが知りたい。
柔らかい青草で覆われた草地の上で、彼は目を瞑って寝ているようだった。
龍骨……
そよ風が吹いて少し涼しくなっている。彼は体を縮めて目を瞑り、よく眠っている様子だ。でも……とても脆くて、割れやすい陶器の人形のように見えた。
月色如昔
龍骨:僕を見るな。
無剣:あなたを見てないし、棗の樹を見てる。
龍骨:ふうん……ならいい。
無剣:そんなに無愛想な言い方しないでよ。
龍骨:知るか。
無剣:わっ!!
彼の前に行くと、彼は私を見るや首を傾げて、手に持っていた棗を渡してくれた。
龍骨:食べなよ。
無剣:え?こ……これを?
龍骨:うん。嫌いか?
無剣:嫌ではないけど、棗だけじゃお腹いっぱいにはならないよ。
龍骨:ならないのか?
無剣:まさかなれるの?
龍骨:まあ。
無剣:まさか毎日これしか食べないとか?!嘘!
龍骨:……
無剣:よく飢え死にしなかったね?
龍骨:……
無剣:また無視?
龍骨:あなたと話したくない。
無剣:私が悪かったから。さ、あなたも棗を食べて。いっぱい食べたら、飢え死にならないよ。
龍骨:……
彼は棗を受け取ると座りこみ、そしてまた空を眺めだした。夜は暗くて星も見えない。ただ一輪の月だけが空に浮かんでいる。
無剣:昼の空だけじゃなく、夜の空も眺めるの?一体何が面白いのか、さっぱり分からない。
龍骨:別に分からなくていいし、分かってほしくもない。
無剣:そういえば、龍骨はずっと絶情谷にいて、外に行きたいとは思わなかったの?
龍骨:別に…
無剣:どうして外に行く気がないの?ここの景色はずっと同じだし、飽きないの?
龍骨:別に飽きない……
無剣:外に出て、そこの空がここで眺める空と違うかどうか確かめたくはないの?
龍骨:確かめたくない。道のりが遠いし……歩きたくないし動きたくはない。それに……どこから眺めても、空は同じだ。
無剣:でもあなたは外に出ようとしないし、ここには人も滅多に来ないし、ずっと一人ぼっちで……寂しいとは思わない?
龍骨:思わない。空を眺めていたら寂しくないし、時間もさっさと過ぎていく。
無剣:でもそれって時間の無駄遣いだと思わない?この暮らしがつまらないとは思わない?
龍骨:気にしない。
龍骨:それに運命は決まっていて、僕はただ成り行きに任せばいい。だから動きたくないし考えたくない。
無剣:そんなことを考えていたんだね。悲観的すぎるよ。運命はどんなに挑戦しても変わらないものじゃない。
龍骨:僕はまだ若いから……あんな面倒なことはしたくない。それに……無駄骨に終わるかどうか誰も知らない。
無剣:そういうことは大人に任せばいい。
龍骨:試してみたくないの?
龍骨:したくない……
無剣:分かった。もし試したくはないなら、何かしたいことは?
龍骨:何もしたくない。あなたは?
彼は棗を一口噛んで、首を傾けて私を見つめている。
無剣:私はしなければいけないことが山ほどあって、今もやってる。
龍骨:へえ。
無剣:……なんかいいこと言ってくれないかな?励ましの言葉を贈るとか。
龍骨:頑張れ。
無剣:……それしか言えないの?本当に面倒くさがりやだね!
風雨満山
龍骨:何を悩んでる?
龍骨の声が後ろから聞こえた。振り返ると彼はそこで立って私を見ている。
無剣:何もない…
龍骨:考えすぎるな。
無剣:考えすぎる?
龍骨:人が考えすぎると悩んでイライラしたり、悲しんだりする。だから考えるな。
無剣:あぁ……じゃああなたが考えたくない理由は考えたら悩んでイライラしたり、悲しんだりするから?
龍骨:いや、ただ怠いだけだ。
無剣:そういうことではないような気がするけど?
龍骨:だから大人はいつも考えすぎだ。
無剣:私はそこまで考えてないよ。
彼の傍に行くと、彼は私を見て私の手を握り、座った。
無剣:あ、また空を眺めてる。あなたは今まで悩んだことがないの?
龍骨:ずっとここにいたからそんなに悩むことがなかった。
無剣:そう。
龍骨 :何を悩んでる?
無剣:今、谷にいる❜ 魍魎がだんだん増えてきて、皆心配している。
龍骨:へえ。
無剣:まさかあなたは心配してないの?あなた谷に暮らしているんでしょう。もし彼らが襲ってきたらどうする?
龍骨:平気、襲って来るなら来い。
無剣:それじゃあなたは死んじゃうよ!あなた……もう!本当にあなたが心配!
龍骨:あなたはそんな事を心配しているの?
無剣:あ……うん……
龍骨:放っとけよ!面倒くさい。
無剣:放っておけるわけないでしょう?だってそれは……私が……するべきことで……たぶんそれが私の使命だから……
龍骨:……
無剣:どうしたの?
龍骨:そんなわけないだろ……大人って本当に複雑な生き物だな、放っておいてもいいことに手を出して、マジ面倒くさい。
無剣:これは放ってもいいことではないよ……私……私……どう言えばいいかなぁ?
龍骨:それじゃ、言わなくていいよ。
無剣:ねぇ……
龍骨:ぐずぐず言ったり、余計な心配をしたりして疲れないか?僕はまだ若いから、あなたと複雑で分かりにくい事は話し合いたくない。
無剣:別に複雑で分かりにくい事ではないけど、私はただ……欲しい物があって……それはずっと気になっている物で、探さなきゃ……いけなくて……
無剣:答えを見つけなくちゃいけないんだ……分かってくれる?
龍骨:分からないし、別に分かりたくもない。
無剣:龍骨……
龍骨:ほら、見て、雲が風に流されて動いている。何も分からず、何も考えない。気楽だろ。
無剣:でも、雲は脆いよ。強い風に吹かれたらすぐ消えてしまう。
龍骨:……
無剣:何を考えている?
龍骨:だから言っただろう、僕は何も考えていないって。
無剣:でも、私はあなたが何かを考えているような気がする。
龍骨:やっぱり、無駄だ。あなたと話し合う意味が分からないよ。
彼は瑠璃のような澄んだ目で空を見上げている。しかしどこか彼の瞳の奥には、私が気付いていないものが隠れているように感じられた。
心甘情願
私は龍骨と山道を歩いている。雨のせいで、山道が泥だらけになって、歩きにくくなっていた。彼に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
無剣:気が回らなくてごめん、梅雨明けで道が歩きにくくなることを忘れた。帰ろうか、また今度来こう。
龍骨:でも、もう歩きたくない……
ちょっと驚いた、まさか道端に腰を下ろすとは。
無剣:まさかここで夜を過ごすつもり?
龍骨:休憩。
無剣:あ!なんだ!びっくりした!
龍骨:もう歩きたくないから、僕を背負って帰れ。
無剣:はいはいはい、いいですよ。たけど山頂の景色を見れなくて残念だったね。また時間を見つけて、次はこんな風にならないようにしたいね。
龍骨:次って……僕はもうあなたと一緒に出かけたくない……
無剣:そんな事言わないでよ……
龍骨:……
彼は空を見上げたので、私も見上げてみる。しばらく経つと、地面が揺れているように感じた。
無剣:龍骨、あなたは何か感じない?
私は彼を見たが、彼の顔色が険しくなった。
龍骨:危ない!
彼はいきなりこちらへ飛び込むや、私を抱きかかえて隣へ転んだ。びっくりしたが、巨大な音だけが響き、急に目の前が真っ暗になって、何も見えない。
無剣:龍骨?龍骨!
私は目を開けて慌てて彼を探した。やっと隣にある岩石のところで彼を見つけると、すぐそちらへと走った。彼の服は汚れていて、顔色が真っ白になっている。
無剣:龍骨!あなた大丈夫?本当にびっくりした……
龍骨:大丈夫……
無剣:あなたはバカなの、もう歩きたくないって言ってたじゃん?なら、さっき放っておけばよかったのに、私を守ったの?
龍骨:死にたいのか?
無剣:わ……私は死にたくないよ!けど万が一のことがあったらどうするの!あなた……あなたの具合はどう?
龍骨:別に…
無剣:ごめんなさい……
龍骨:ごめんなさいなんて言わなくていいよ……あなたを罵るつもりなんてない。
無剣:龍骨……あなたって実はそんなに冷たい人ではないんでしょう。本当は……気になっていること……あるんじゃないの?
龍骨:……何を言っているのか分からない、帰ろう。
無剣:……そうだね
彼は体を起こして立とうとしたが、いきなり転倒し、顔色もさらに白くなった。
無剣:龍骨!!
龍骨:僕……動けなくなってる……
無剣:ごめんなさい……
龍骨:あなた余計な事を考えないで……僕はただあなたの死体の片付けをするのが面倒だっただけで……怪我をしたし、もう歩きたくないから、僕のことをを背負って帰ってくれ。
無剣:分かった……足、痛いでしょう?
龍骨:痛くない……疲れた、居眠りしたい。
無剣:龍骨?
声をかけたが、背に乗っている人からの返事がない。彼は私の肩に頭を乗せて、寝ているかのようにゆっくり呼吸をしている。
私は胸がキューッとなって、彼に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
無剣:龍骨、ごめんなさい……
背負っている人が動き、私はびっくりしていると、寝言のような声が聞こえた。
龍骨:もうごめんなさいって言うな、僕は気にしてないよ、それに……
龍骨:僕がしたくてしたことだから。
同盟会話
○○の龍骨:暗器の腕は……
○○の龍骨:棗を取りたいけど、木を登りたくないから磨き上げてきたんだ…
○○の龍骨:普通はそうだろうけど…
○○の龍骨:いつもなら、絶情谷でせわしなくしている。
○○の龍骨:だって……もし魍魎が襲来したら、棗を食べられなくなるでしょ。
○○の龍骨:棗のためだけじゃないけど……
◯◯の龍骨:うん……
◯◯の龍骨:ああ…眠い…
◯◯の龍骨:棗でも奢りに来たの?
判詞
二句目 若く憂いもなく一日中ただぼーっとする
三句目 雲行きのように抱く意欲が倦怠
四句目 川の流れのように湧く覇王の才能
五句目 楽しい夢の時に目が覚めて
六句目 わざと万事ひねくれるような真似
七句目 道を論じたくても相手もおらず
八句目 ただ門前の棗を打ち落として遊ぶ
コメント(1)
コメント
-
・暗器の腕は……
棗を取りたいけど、木を登りたくないから磨き上げてきたんだ…
普通はそうだろうけど…
・いつもなら、絶情谷でせわしなくしている。
だって……もし魍魎が襲来したら、棗を食べられなくなるでしょ。
棗のためだけじゃないけど……0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない